バスクラリネットという楽器|クラリネット・ヤマハ・通販
バスクラリネットとは
バスクラリネットの特徴は、並みクラリネットの1オクターブ低い音域がでて、4オクターブという広い音域のでる楽器です。
そして並みクラリネットと同じくベー管です。
身近なところでいうと、映画やドラマやアニメなどで怪しい雰囲気の時にバスクラリネットの音が使われている事も多いです。
吹奏楽やオーケストラでの音域はチェロなどと同じ中低音に属し、低音でも伴奏だったり、中低音でのメロディだったりと、メロディから伴奏まで幅広い役割を担っている美味しいとこどりの楽器だと感じています。
全体で演奏しているとなかなか聞こえにくい楽器ではありますが、実はいらない楽器ではなくバスクラリネットがしっかり吹けると、団体の中低音の芯の安定感が出るのでかなり重要な楽器なんです。
バスクラリネットの楽器
バスクラリネットのメーカーでよく聞くのはクランポン、セルマー、ヤマハ辺りでしょうか。
学校での備品でルブランを使っている学校も稀にですがありますね。
私自身はセルマーを9年使っていて、クランポンに変えて8年くらい経ちました。
それぞれメーカーによって特徴も違うし、予算によって購入できる楽器が限られてくるので、趣味で楽器を買いたいのか、音楽大学に行きたいのか、理由によって買えるものがそれぞれだと思います。
クランポンは値が張りますが、その分とっても良い楽器なので予算があるのであれば私はクランポンをオススメします。
ちなみにベー管もクランポンユーザーは多い様に感じます。
また、ロング管かショート管かも迷いますよね。
私は最初中学生の時にショート管を使っていましたが、正直困ったこともありませんでした。
大学に入ってからロング管を買いましたが、それも音楽科の高校に行ったからという理由でした。
専門的な事をやらないのであればショート管でも十分だと思います。
しかし吹奏楽の曲だとたまにショート管だと音が足りない時があるので、どちらか迷える人は絶対ロング管を買う事をオススメします。
購入する際は、出来ればプロの先生にお願いして選定してもらいましょう。
楽器店に選定品と書いてある物もあるのですが、私はあまりオススメしません。
実際に自分の生徒が、私のところへ習いに来る前に自分で楽器を購入した際に「プロのクラリネット奏者の選定品」を買いましたが、高音が殆どでなくて、せっかく買った楽器なのに全然使い物にならなくて可哀そうな事になっていました。
もし選定をしてもらうつてがないのであれば、その楽器店の講師の人に選定をお願いする様にしましょう。
バスクラリネットはセルマー・クランポンが主流
バスクラリネットのブランド比較を簡単にしたいと思います。
実は低音の運指はそれぞれ異なるのでもし今使っているメーカーと違う物を購入する場合は切り替えに時間がかかることを考えて購入しましょう。
一番多いメーカーのヤマハ、クランポン、セルマーですが、音大でのオープンキャンパスに参加する子達のなかで学校で使っているのが多いのはクランポンとヤマハが多い様に感じています。
ヤマハはやはり日本製なので設計上の正確さや音程の安定感などはありますね。
初心者で何買ったらいいかわからないし予算もそんなにないよって人はヤマハがおすすめです。
学校の備品として購入するのもヤマハはオススメですね。
クランポンは表現力などを重視している楽器なのでプロを目指す人や、上級者にはクランポンを買うのがおすすめです。
各自の個性も出すことができるので、ソロ曲など吹く機会がある人には断トツでクランポンをおすすめします。
高音の音程はクランポンが安定していて取りやすかったです。
セルマーは深みのある良い音が出しやすく、ソロよりもハーモニーなど吹く時はいいですが、ちょっと音の輪郭が出しずらく感じていました。
ですが音色はセルマーの時の方が簡単に良い音が出せて私は好きでした。
私はセルマーを長年使っていましたが、大学院でベルギーに留学した時に自分の師匠がクランポンを使っていたこともあり買い変えました。
セルマーのままでも勿論よかったのですが、現代曲など難易度が上がった時に高音の音程がセルマーでは思うように取れなくて、ストレスを感じていました。
その点ではクランポンに変えてみてだいぶ楽になりましたが、クランポンは音の輪郭が出しやすいので逆にセルマーの時の様な深みのある音色を作る事に苦労しました。
慣れないうちは音が割れやすかったりと悩んだ時もありましたが、それもすぐに慣れてしまえば文句なしに使いやすい楽器になりました。
バスクラリネットのプラ管とは
バスクラリネットにもプラ管が一応あります。
正しくはABS樹脂製というもので、一般的にはプラ管と呼ばれています。
特徴としては価格が安く、温度・湿度変化に強いので外で演奏する事が多い人にはおすすめです。
木管のものに比べて音も少ない息で簡単に出せますし、外での演奏や屋外のマーチング、パレードなどが主な演奏場の人にはプラ管の方が扱いやすいでしょう。
逆に室内での演奏が多く、吹奏楽やオーケストラで吹くのであれば絶対に木製のバスクラリネットを買った方がいいです。
音色も深みが違うので、安いという理由でプラ管を購入するのはやめましょう。
バスクラリネットの値段
バスクラリネットの値段は平均的に考えるとロング管が70~100万くらいの価格が多いです。
勿論もっと安い物は沢山あります。
ショート管はそれより安いという感じになります。
その時のレートによって大きく異なり、私が初めて楽器を購入した時の大体の値段が、
- セルマーのショート管が60万くらい
- セルマーのロング管80万くらい
- クランポンのロング管90万くらい
という感じでした。
中古で1度売ったことがありますが、その時は50~60万くらいで売れました。
今はプロが使う様なものは100万近くしますが、初心者の人や趣味で吹きたい人はそこまで高いものを買う必要はありません。
はじめはクランポン、ヤマハ、セルマーなどで購入できるものを購入して、専門的に学びたいから楽器のグレードアップがしたいと思ったときに、持っている楽器を下取りに出すなどして新しい楽器を買うのが良いでしょう。
重要なのはどのメーカーを買うか、高い物を買うかではなく、購入する際に目の前でプロに選定してもらい、自分も実際に吹いてみる事です。
私もネットで売ったものの、恐らく購入したのは業者の様な人でした。
売るのは正直高く値段の付けれるところで売るのが良いと思いますが、中古を購入するのであれば、実際に試して吹ける環境があるところで買いましょう。
吹いたこともないのに格安に通販の様に買ってしまって全然音が出ない何てこともありますし、直せない状態のものも多くあります。
中古を買う時はそういった点に十分注意して購入しましょう。
新品を購入する場合ももし一括で支払いが難しい場合、ローンでも支払いができるのでそれも検討してみてもいいかもしれませんね。
楽器を手に入れるのにも、購入ではなくレンタルというシステムも存在します。
短期間だけ楽器を使いたい時はレンタルを考えてみてもいいかもしれません。
バスクラリネットの音域
バスクラリネットの音域はオーケストラで言うとチェロあたりの中低音というくくりになります。
他の楽器で同じくらいの音域なのが、ファゴットやテナーサックス辺りです。
バスクラリネット自体が出せる音域は、ロング管の場合、一番低いB♭から数えて4オクターブ程でる楽器です。
3オクターブまでははっきりと決まった運指なので教本などをみれば書いてあります。
3オクターブより上の音域はフラジオの様な出し方で鳴らすので、運指がメーカーによって変わってきます。
(メーカーによって音程が取りずらかったりするので、同じ運指では音程が取れない音もあります。)
基本的には吹奏楽で使うのは3オクターブとちょっと上くらいまでなので特に困ることはないですが、バスクラリネットのソロ曲や現代曲になると、4オクターブまで出てくることがあります。
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バスクラリネットの運指
バスクラリネットの運指はベークラリネットの運指と3オクターブまでは同じです。
ベークラリネットの最低音から下の音はバスクラリネットのメーカーによって異なります。
ですが低音の運指はメーカーによってちゃんと決まっているので、検索すると出てきますが、3オクターブより上の運指は教本などには載っていません。
私も実際大学院でベルギーに留学して専門的に学んだ時に教わりました。
ですがそれもクランポンの時に教えてもらいましたが、セルマーの時に同じ運指は音程が取れなくて使いづらかったので自分の音程が取れる様にキーを押して高くしたり、低くしたり自分で調節する必要がありそうでした。
3オクターブから上の運指は指だけでは音が出せないので、アンブシュアも練習する必要があるため少し練習が必要になってきます。
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バスクラリネット初心者の方へ
バスクラリネットを初めて吹くことになった人はまず、楽器の扱いを理解しておくことが重要です。
高価な楽器ですし、学校の備品の場合何本も楽器を持っていないので壊してしまうと代わりがきかないので大変ですよね。
実際に現場にいって結構な確率で間違っているのは、楽器の置き方です。
これは下手したらキーが曲がってしまう場合もあるので正しい置き方を学んでおきましょう。
置き方や組み立て方、片付け方は楽器をはじめる前に必ず知っておきましょう。
部活動でバスクラリネットを吹く場合、楽器の調整や修理も部費から出るので頻繁に出せるわけではありません。
なので日々使う時のお手入れだったり、扱い方を注意して大事に楽器を使いましょう。
そして初めてバスクラリネットを吹く時、吹奏楽の楽譜は殆どがト音記号ですが、オーケストラのバスクラリネットパートは殆どがヘ音記号なので、ト音記号しか読めない人は注意が必要です。
» 楽器の扱い方・メンテナンス方法などバスクラ初心者におすすめの記事一覧
バスクラリネットの吹き方
バスクラリネットを吹く場合、元々ベークラリネットを吹いていた人も多いと思います。
その場合、アンブシュアは同じと思っていて良いです。
なのでバスクラリネットだからほっぺを膨らまして良い訳でもないですし、マウスピースの角度が変わる訳でもないので、その点は注意しましょう。
そしてまずバスクラリネットを吹く上で、どんな音色を出したいのか、バスクラリネットのいい音とはどんな音なのか、イメージをするために色んな音を聞いておくと上達するスピードが変わるので目標をもって練習する事が大事です。
ベークラリネットを吹いていた人からすると、レジスターキーを使った音域や低い音も最初は出すのが難しいと思いますが、その時にアンブシュアが崩れてしまわない様に注意して練習しましょう。
音を出す為に変な癖が付かない様に気を付けないと、変な癖が付くと直すのにすごく時間がかかりますからね。
» バスクラリネット上達法・吹き方のコツなど学生さんが今使える練習方法
バスクラリネット用アクセサリー
バスクラリネットをはじめる時、楽器以外にも色々揃える必要があります。
楽器に直接関係するものだけでも、リガチャー、マウスピース、リード、スワブ、マウスピースキャップ、などなど沢山あります。
そのほかにもスタンドだったりストラップや楽器以外にも色々あります。
スタンドやストラップは自分の使いやすいものを選んだらいいですが、マウスピーズやリガチャーやリードは適当に買う訳にもいかないので、もし最初に購入する場合はレッスンで先生に相談するなりして購入しましょう。
基本的に高価なもので個体差があるものは試さずに買うのは絶対にやめましょう。
自分の楽器に合わないものを買ってしまうと音を出す事にも無駄なストレスになりますし、何よりお金ももったいないですよね。
» プロも使っているおすすめバスクラリネット用アクセサリーをまとめた記事
マウスピース
楽器を吹くのに重要なものの一つがマウスピースです。
どんなマウスピースを選ぶかで音色も発音も音の出方も全て変わってきます。
そして個体差もあるのでメーカーを決めても必ず試奏をしましょう。
プロの〇〇先生がこれ使っているから私もこれを買おうと買っても、その人の楽器もリガチャーもリードも自分の物とは違うので自分に合っているかはまた別の話です。
マウスピースを自分に合う物に変えただけで音色が良くなったり、音を出すのが簡単になったり、発音が楽になったり、リードミスが減ったりという改善もよくあります。
音を出すためにとても重要なパーツなので必ず試奏をして購入しましょう。
リード
バスクラリネットのリードを購入する際、迷うのがメーカーですよね。
まずどんなものを買ったらいいのか、これも好みがありますが、購入のしやすさや、どこの店舗でも扱っている物、常に在庫があるもので使い慣れておくとのちのち楽です。
私は今バンドレンの青箱を使っていますが、それに至るまでに色々なメーカーを使っていましたし、マウスピースによって違うものを使っていました。
最初は1箱気になるメーカーを買ってみて比較できるのであればしてみるといいと思います。
リードは音を出すのに一番重要な部分ですし、リードが吹きやすいかどうかで演奏のできが大きく変わります。
発音が上手くいくか、息がどれだけ続くか、音の処理が上手くできるか、深みのある音がだせるのか、全てはリード次第といっても過言ではないので、リード選びはっしっかりやりましょう。
そして決して安いものではないのでリードケースに入れるなどして長く使える様に保管しましょう。
ケース
バスクラリネットのケースは基本的に楽器を買ったときについてくるので必ず買わなきゃいけないものでは全然ないです。
ですが、買った楽器についてくるので好きなものを選ぶことはできません。
新しくケースを買う場合は、毎日使う物なので自分の生活のリズムでどんなものが使いやすいのか、どんなケースが自分に向いているのか考えて探してみましょう。
楽譜を一緒に入れたい、ベークラリネットも一緒に入れたい、持運ぶ事が多いのでなるべくコンパクトにしたいという様々な用途に合わせて自分の欲しい楽器ケースを選ぶこともできます。
私は今はBamのカーボンのものを使っていて大変使いやすいです。
値は張りましたが、クラリネットも入るし、譜面台や楽譜も入るし、本番の日は靴と衣装と楽譜もリュックの部分に入れれるしコンパクトなので、元は取れたんじゃないかと思うくらい役に立っています。